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2004年11月08日
モンテス・リミティッド・セレクション・カベルネ・ソーヴィニョン・カルメネール [2003]
MONTES LIMITED SELCTION CABERNET SAUVIGNON CARMENERE
デビュー・ヴィンテージは1999年。モンテス社の新シリーズが2000年にリリースされました。その名もモンテス・リミティッド・セレクション。カサブランカ・ヴァレーで栽培されるピノ・ノワールと、アパルタ・ヴァレーで栽培されるカルメネールで造られた2種類のスペシャル・キュヴェです。この「カルメネール種」はもともとボルドー原産で、フランスで広く栽培されていたブドウ品種。高貴で繊細な味わいを産み出すのですが、そのデリケートな性質から気候にも左右されやすく、栽培が難しいとされてきました。そして19世紀後半にフランスをはじめヨーロッパを襲ったフィロキセラの災禍。ヨーロッパ系ブドウが絶滅の危機に瀕しつつも、接ぎ木をすることで命をふきかえしました。が、このカルメネール種はフィロキセラ害によってますます栽培がしにくくなり、フランスの大地では姿を消す結果となりました。フランスでは絶えてしまったカルメネール種、実はフィロキセラ害よりもずっと前に遠くチリの地へともたらされ、その大地にしっかりと根付いていました。ですが「カルメネール」としてその個性を発揮し、貴重な品種のひとつとして知られるようになるまでは、なんとメルロ種と勘違い!その上成熟期を見誤っていたがゆえに、熟しきらないワインにできあがるという不本意な時期もありました。別品種であることが判明し、ハイ・クオリティで個性的な品種としてようやく認められるようになったこのカルメネール種を、モンテス社がエレガントなワインに仕上げました!
ブレンド比率はカベルネ・ソーヴィニョンが70%、カルメネールが30%。
これはモンテス社が醸造技術を駆使し、試行錯誤を繰り返してたどり着いた黄金比率。ラベルにはその比率が堂々と書かれていて、自信満々ぶりがうかがえます。カベルネの華やかな香りと、それをさらにひきたたせるのがカルメネールの熟した果実とスパイスの香り。ジャムに近い上品な果実味と、それに続くしなやかな酸とタンニン。口当たりはあくまでなめらか。残るのはじんわりとしたまろやかな余韻。
上品でエレガントな造りは、ボルドーと言われても思わず納得してしまう程!
投稿者 saikawa : 2004年11月08日 19:38
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