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2004年10月19日

セドゥル エリタージュ 2000


Ch.デュ・セドル (セードル)(カオール)
[2000] セドゥル エリタージュ 750ml(カオール)
赤【コク辛口】
2年前のボルドーのヴィネクスポ会場で、カステルのエリ・ベンザケンさんと待ち合わせをしました。その時、エリさんが、「ハルミさん、すごくいいカオールのワインがあるから、ちょっと紹介しましょう。」と連れて行ってくれたのが、パスカル・フェラージュさんのブースでした。 カオールといえば、従来「黒いワイン」と呼ばれその熟成に10年以上も費やさないと飲めないとまで言われた大時代が終わって、最近は極端にうすいペソペソした、これがあのカオール!?なんてものまで出てきていました。だから正直いくらも期待せず、でも内心エリさんのお友達ならもしかして一発逆転で、すごくおいしいかもと思いつつグラスをいただきました。 う!!こ、この色、まるでビッグヴィンテージのランシュ・バージュみたい。青紫で深い色合いはもう向こうなんて全く見えません。うわ~っ、たっぷり抽出して、香りを嗅ぐ前からおいしそうな予感。どれどれ、うわーっ、フルーツがプルーンがカシスが丸ごと凝縮して、甘すぎず締まりもあって、でもなんとも純粋なる果実のいい香りー! 飲む前から、もう喉が鳴るとはこのこと。ゆっくり口に入れると、とろみと充分な重量のある液体がスルリ、その後、すごい密度のミクロなタンニンとエキスの固まりが広がりパワーとおいしさがフルスロットル状態。おいしいって、すごく分かりやすいし、ステキな果実と樽の調和に「ニューエイジ」のモダンな作りとカオールのマルベックが見事に融合されて、これはライジング・スターに当てはまる、素晴らしいワインだとすぐに判断できました。 「どう?」「エリさん、これおいしい、ステキですね~。ありがとう!」それから、パスカルさんと名刺交換して、もちろんすぐに分けていただけるか交渉を始めました。 ところがそれからが長かった。見積もりを送っていただくのに半年かかり、ヴィンテージが変わってしまい、それからあっという間に売り切れて、ヴェリタスに入ってくる気配がなくなってしまいました。 パスカルさん、全然お商売気がなく、その後お目にかかることなく、半ば諦めていると、今年のボルドーのプリムールの時、サンテミリオンでまたしてもエリさんのブースのお隣にワインを並べていました。チャーンンス到来! これが運の尽き。特上の笑顔で、性懲りもなく、「もう一回見積もり送ってくださいね。うちにもちろん分けてくださいますよね。2年もお待ちしてるんですよ。」 しつこさなら負けませんよ、なんたって、こっちは泣く子も黙る天下のオバさんなんですから。お客様のためなら、おいしいワインはなにが何でも手に入れなくっちゃ。ふ~っ、ヤレヤレ、分かった分かった分かりました~。そんな表情で「OK、OK。」とご承諾(キョーハクではございません。)頂き、お陰様で、ついにヴェリタスにお宝、クロ・トリと仲良く並んで入ってきたこのセドゥル。 美味しい秘密がありました。というより店長だけが知らなかったことが。Pちゃん唯一の★★★★★、ってことは、世界でトップのカオールなの!?ゴーミヨトップ評価、ベタンも好評(ベタンはクロ・トリの方に0.5ポイント差で軍配を上げてました。) そしてそのジューシーでギョーシュクのおいしさの技の秘密は、パスカルさんがブルゴーニュの有名蔵で4年、2年はナパで自由なワイン作りの美味しいとこ取り修行を終え、帰国後、今日のセドゥルが生まれたという訳なのでした。 一本のブドウの木からはたったの5,6房ほどしかブドウを取らず、また大吟醸レ・セドゥルにいたってはわずか35ヘクトリットリという低収穫。葉刈りも丹念に真っ黒に色付いた樹齢35年~45年の古木から、ブルゴ&ナパ折衷の神業で、このセドゥルが作られます。 充分濃いのに、すごくまろやかでおいしい。でもタンニンがしっかり、長命を授かったステキなカオールは、一回飲んでいただいて、アッと驚くことタイコ版ババンッと100個です!

投稿者 saikawa : 2004年10月19日 22:18

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